自閉スペクトラム症とは「社会性」、「コミュニケーション」「想像力」の領域に特性があるほか、聴覚や臭覚の過敏さが認められる場合もあります。自閉スペクトラム症は発達障害の一つであり、遺伝と環境の双方が関与して起こりますが、育てられ方が原因で起こるものではありません。
「自閉性の問題」は、他人への関心が、乏しい、人の気持ちを理解するのが苦手、人から関わられることを嫌がる、人への関わり方が一方的で表情が乏しいなどの特徴があります。
「コミュニケーションの問題」は、冗談や比喩が理解できず言葉通りに受け取ってしまったり、自分の興味のあることを一方的に話したりするため、会話が成り立ちにくいことがあります。また、指示が理解できない、人の表情や場を読むことが苦手な特徴があるほか、セリフ口調や気持ちのこもらない話し方など、話し言葉が独特な人もいます。
「想像力の問題」は、目の前にないものや実際にない事柄を想像したり空想したりすることが苦手で概念や抽象的な事柄の理解が困難という特徴があります。また、会話の中で省略されている部分を推測が苦手であるため、常識や基本ルールがわからない人と思われがちです。
「その他の特有な症状」として、音や痛みなどの感覚が敏感、あるいは鈍感であったり、計算力や記憶力など特異的な能力が突出しており、知的能力がアンバランスであるなどの特徴があります。
これらの特徴が著しく、社会生活を営む上で本人やご家族や周囲の人が困っている場合には適切な行動がとれるよう対処法を一緒に考えたり、援助や支援が必要となります。
日本イーライリリー株式会社作成冊子2015年2月作成より引用
不注意や多動性、衝動性を特徴とする発達障害で日常生活に様々な困難をきたす状態をいいます。主な症状は、「不注意」として、集中して話が聞けない、金銭の管理ができない、忘れっぽい、ケアレスミスが多いなど。
「多動性」は、よくしゃべる、会議中、授業中や勉強中に落ち着かずそわそわしてしまう、体の一部を動かす、貧乏ゆすりや机を指先でたたくなどなどの癖がやめられないなど。 「衝動性」は会議中、授業中に不用意な発言をしてしまう、思いつきをすぐ言動にうつすなどがあります。
ADHDと診断する場合、すべての症状が認められる場合もあれば、3つの症状の一部が強く認められる場合があります。個人差はありますが、大人のADHDは、子供の場合と比べて多動性が弱まり、不注意が目立つ傾向にあるようです。社会的な立場が変化すれば、それぞれの症状の現れ方も子供の場合と異なります。
日本イーライリリー株式会社作成冊子2015年2月作成より引用
限局性学習症は、知能には大きな問題がなく、目も見え、耳も聞こえているのに、「読む」、「書く」、「計算する」といった学習技能のいずれか一つができない状態をいいます。
「読むことの問題」は、誤った発音をする、文章の文字や単語を抜かして読む、読んでいるものの意味を理解することが難しいなどの特徴があります。
「書くことの問題」は、誤った文字を書く、句読点を間違える、単語の中に誤った文字が混じる、文法的な誤りが多い文章を書くなどの特徴があります。
「計算することの問題」は、数の感覚、計算の正確性に困難がある、数学的推理に正確さに困難があるなどの特徴があります。
本人や周囲の人が、その人の発達性を理解し、正しく対応することで、生活上の悪循環を断ち切り状況を改善していくことが重要です。そのためにはまず発達障害の存在に気づくことが大切です。
日本イーライリリー株式会社作成冊子2015年2月作成より引用