名古屋市千種区にある心療内科・精神科・児童精神科『池下やすらぎクリニック』

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躁うつ病

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うつ病の認知行動療法

うつ病は、うつ思考、うつ気分、行動量の低下の悪循環を続ける状態をいいます。この悪循環に対して、「現実の受け取り方」や「ものの見方」を認知といいますが、認知に働きかけて、心のストレスを軽くしていく治療法を「認知療法・認知行動療法」といいます。いまもっとも注目を集めている精神療法です。破局的な解釈を含む自動思考に対して、そう考えた理由(根拠)とその内容と矛盾する事実(反証)を考えることによって、より現実的で役に立つバランスの良い考え方(適応的思考)を導き出します。この方法により不安やうつ気分を軽減し、うつ状態に陥ることを予防していきます(下記表参照)。

表 うつ病の自動思考記録表の記入例

1.状況 会社で私を残して事務職のみんなが上司と食事会に行った。
2.気分 イライラ(70%)、あせり(65%)、悲しい(80%)
3.自動思考
  • 自分は嫌われている。(80%)
  • 仲間はずれにされている。(80%)
  • 自分は仕事が遅いだめな人間だ。(70%)
4.根拠
  • 食事会に行けず、残業していた。
  • 仕事が進まない。
5.反証
  • 他の事務職の同僚も何人か残業していた。
  • 確かに仕事は締めきりもあり忙しかった。
6.適応的思考
  • 仕事は締めきりもあり忙しかったので、私に気をつかったのではないか。(50%)
  • 信頼されているからこそ仕事が多いのだ。(65%)
7.気分の変化 イライラ(40%)、あせり(30%)、悲しい(25%)

厚生労働科学研究事業資料より改変引用

双極性障害(躁うつ病)とは

双極性障害は、精神疾患の中でも気分障害に代表される疾患のひとつです。うつ状態だけが起こる病気を「うつ病」といいますが、このうつ病に加え、うつ状態とは反対の躁状態も現れ、これらをくりかえす、慢性の病気を双極性障害と言います。

昔は「躁うつ病」と呼ばれていましたが、現在では両極端な病状が起こるという意味で「双極性障害」と呼ばれています。また、躁状態だけの場合もありますが、経過の中でうつ状態が出てくる場合も多く、躁状態とうつ状態の両方がある場合とはとくに区別せず、やはり双極性障害と呼びます。

双極性障害は、躁状態の程度によって二つに分類されます。

家庭や仕事に重大な支障をきたし、人生に大きな傷跡を残してしまいかねないため、入院が必要になるほどの激しい状態を「躁状態」といいます。 一方、はたから見ても明らかに気分が高揚していて、眠らなくても平気で、ふだんより調子がよく、仕事もはかどるけれど、本人も周囲の人もそれほどは困らない程度の状態を「軽躁状態」といいます。

うつ状態に加え、激しい躁状態が起こる双極性障害を「双極I型障害」といいます。うつ状態に加え、軽躁状態が起こる双極性障害を「双極II型障害」といいます。
双極性障害は、精神疾患の中でも治療法や対処法が比較的わかっている病気で、薬でコントロールすれば、それまでと変わらない生活をおくることが十分に可能です。しかし放置していると、何度も躁状態とうつ状態を繰り返し、その間に人間関係、社会的信用、仕事や家庭といった人生の基盤が大きく損なわれてしまうのが、この病気の特徴のひとつでもあります。

このように双極性障害は、うつ状態では死にたくなるなど、症状によって生命の危機をもたらす一方、躁状態ではその行動の結果によって社会的生命を脅かす、重大な疾患であると認識されています。

双極性障害の心理療法

双極性障害は、単なるこころの悩みではないため、カウンセリングだけで治るわけではありません。しかし、病気をしっかり理解し、その病気に対するこころの反応をよく観察し、治療がうまくいくように援助していく精神療法が必要です。こういった精神療法を、医師の立場からは、心理教育といいます。

心理教育ではまず、病気の特徴を理解し、再発のしるしは何なのかを自分自身で把握することが大切です。再発をほうっておくと自分でも病気の自覚がなくなり、クリニックを受診しなくなることがあります。早期に治療を開始すれば、ひどい再発状態にならない可能性があります。再発した時に、初期症状に気づき、本人と家族で理解することが大事です。再発のきっかけになりやすいストレスを予測し、それに対する対処法などを学ぶことも有効です。

また、規則正しい生活をおくることも、双極性障害の治療にはよい効果があります。徹夜を避け、朝はしっかり日の光を浴び、散歩などの軽い運動をする、などをして、できるだけ一定のスケジュールで生活することは、病気の安定化にとても大切です。

双極性障害の薬物療法

双極性障害には、気分調整薬と呼ばれる薬が有効です。日本で用いられている気分調整薬には、リチウム、バルプロ酸、ラミクタール、カルバマゼピンがあります。

その他、非定型抗精神病薬であるクエチアピン、オランザピン、アリピプラゾールなどが使用されます。

リチウムには、躁状態とうつ状態を改善する効果、躁状態・うつ状態を予防する効果、自殺を予防する効果があります。リチウムなどの気分調整薬に加えて、うつ状態の時には、抗うつ薬が処方される場合もあります。しかし、抗うつ薬の種類によって、かえって症状が悪化してしまうこともあるので注意が必要です。とくに三環系抗うつ薬と呼ばれる古いタイプの抗うつ薬は、躁状態を引き起こすことがあるので、双極性障害の場合はSSRI(セロトニン選択的再取り込み阻害剤)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤以外の抗うつ薬は避けたほうがよいと言われています。

また、双極性障害の人が抗うつ薬を飲むと、アクティベーションシンドロームと呼ばれる、かえって焦燥感などが強まってうつ状態が悪化してしまう場合があります。うつ病として治療を受けているが、過去において躁状態や軽躁状態があったかもしれないと思われる人は、必ず医師に伝えてください。とくに「うつ病と診断されて抗うつ薬を飲んだけれど、症状が悪化した」という人は、双極性障害である可能性も考えて、医師に報告し、よく相談してください。

誰もがかかりうるうつ病

現代社会のストレス、価値観の多様化により軽症のうつ病者が年々増加傾向にあります。現代では多くの人がうつ病になりやすい背景にあります。高齢化社会、人間関係の希薄化、バブルの崩壊による不況など多くの深刻な問題を抱えています。

今やサラリーマンの4人に1人が軽症うつ病であるといわれます。特に中高年者の自殺が多く認められます。うつ病は10歳代から70歳代に至る広い年齢層にみられます。女性では更年期障害にうつ病が重なることがあります。また、高齢化社会にある中で老年期のうつ病が増加しています。最近では児童、思春期にもうつ病がみられ自殺がふえています。

うつ病になり易い人は趣味がないことが多いようです。真面目人間の落とし穴というか、その人から仕事を取ると何も残らないという生き方をしている人は要注意です。

それまで楽しみであった趣味やテレビや雑誌にも興味、関心がなくなります。また、疲労感が強く、気力が低下し、仕事をするのも億劫に感じます。抑うつ気分、淋しさ、孤独感、不安感、あせりが強く、自殺願望も現れます。うつ病は必ずなおるはずの病気ですから早めに専門医に相談して下さい。

うつ病者への対応法

うつ病ははっきりとした理由もなく何ケ月も気分がしずみがちとなり、体の調子も悪くなります。周りの者から気のせい、考えすぎ、気の持ちようだなどと言われ、誰もわかってくれないと一人で悩むことも少なくありません。しかしうつ病は必ずよくなります。周囲の者はどのように対応すべきか述べてみます。

  • まずは休養を優先させ、焦らないこと。
  • 怠けているのではなく、必ず治る心の病気であることを理解する。
  • 人生上の重大な問題についての決定は治るまで延期し保留とさせる。
  • 気晴らしに誘ったり、励ましたりしない。
  • 自殺をしないよう約束をとりつけておく。
  • 薬物治療が奏効することを保証する。

うつ病の治療は現時点では薬物療法が最も有効です。数日から2週間ほどすると効果が出てきます。よくなってからも少なくとも数ケ月は治療と予防をかねて飲み続ける必要があります。うつ病の薬はなおれば必ず止めることができますので減薬については主治医の指導を受けながら進めて下さい。以上が守られれば、患者さんは不安がとれ、気分が晴やかになり、自信も出てきて元の自分に戻ることができるはずです。

うつ病の再発と予防法について

うつ病は再発率の高い病気です。ある調査では、良くなってからすぐに抗うつ薬を中止した場合の半年以内の再発率は80%で、半年間、1年半、服用を続けた場合の半年以内の再発率はそれぞれ20%と4%という報告があります。従って、うつ病の治療は急性期の症状が消えた場合でも予防的な意味を含めて数ケ月以上は薬を飲み続ける必要があります。しかし、最近の研究では4~5年にわたり薬を飲み続けた方が再発率が低いと言われています。

うつ病が少しよくなってくると家族の者はどうしても早く仕事に戻ってほしいと焦るものです。しかし、治りかけの時に自殺やゆり戻しが起こりやすいことから、患者さんを焦らせないようにする必要があります。もともと、働き者できちんとしていないと気がすまない人たちですから、よくなれば放っておいても自分から仕事に出るようになります。

うつ病になりやすい人は仕事熱心で、熱中性、几帳面な性格傾向があります。自分の価値観がいずれ通用しなくなることも予測し、適切な対応法を日頃から検討しておくことが重要です。そのためには、趣味にいそしんだり、生きがい探しをしたり、様々な生き方や価値観について興味をもつことが大切です。

季節性うつ病とは?

秋から冬にかけてうつ状態になり、春から夏になると症状が軽快するような季節に関係して経過するうつ病を季節性うつ病といいます。通称、冬型うつ病ともいわれます。少数ですが、逆に夏にうつになるものもあります。

うつ状態の程度は比較的軽度で、ゆううつ、悲哀感、意欲の低下、日中や夕方の眠気、睡眠時間の延長、過食、糖質・炭水化物に対する渇望、体重増加といったうつ病としては非定型的な身体症状を伴うことが多いようです。

米国の調査によると季節性うつ病の8割以上が秋から冬にかけてうつ症状が現れ、春から夏にかけて軽い躁状態を示すタイプであるといわれています。原因として遺伝負因が指摘されています。42%は思春期までに発症することから、冬期に学業成績の低下や友人関係に障害が起こることがあります。また、20歳代後半以降の女性に多く、過食、炭水化物の過剰摂取が多いことが示されています。

治療としては2500ルクス程度の光療法やメラトニンというホルモン物質によりうつ症状が改善すると考えられています。今のところ、メラトニンは日本では発売されていませんが、近いうちに発売される予定です。

季節性うつ病の治療法について

季節性うつ病の治療として光療法があります。通常2500ルクス程度の家庭で使用される白色蛍光管を数本組み合わせたもので、約1m離れて朝2時間位、1週間以上にわたり連日照射する方法が効果的です。本疾患では夜間にメラトニンというホルモン分泌の時間帯が遅れていることが多く、これがうつ状態を引き起こすのではないかと推測されています。早朝の光療法によりメラトニン分泌の時期が早まり生体リズムが矯正されうつ症状を改善すると考えられています。また夕刻か就寝前にメラトニンを数日間服用することによる有効性が報告されています。日本では発売されていませんが、欧米では時差ぼけや睡眠障害の治療薬として使用されています。

従来の抗うつ薬の効果は十分ではありません。SSRI(セロトニン選択的再取り込み阻害剤)の効果が期待されています。アルプラゾラムという抗不安薬が有効であるという報告もあります。季節性うつ病は症状が比較的軽いことから心療内科、神経科を受診するに至らないことも多いと思われます。光療法の効果が劇的で副作用がないため、早目に専門医に相談されることをお勧めします。

病相頻発型感情障害

躁うつ病の治療に炭酸リチウムはよく使用される薬ですが、それが作用しにくく、年に4回かそれ以上の抑うつ状態、躁状態または軽い躁状態を何回も繰り返す場合を病相頻発型感情障害(ラピッドサイクラー)といいます。これは再発の間隔が極端に短く改善する期間がほとんどない程に再発を繰り返します。

本病は躁うつ病患者の10~20%に認められ、その約8割は女性で、中年期に多くみられます。本病の病前性格として陽気で活動的な一面と物静か、柔和、陰気で消極的な特徴の両面を示す循環気質のことが多いといわれています。発症の原因は不規則な服薬や頻回に薬が変更されることによることがあります。
さらに、抗うつ薬の長期投与後の急激な中断も発病の誘因となり得ます。また、薬が効きすぎること自体が病相頻発につながる場合や治療期間が短縮されてしまうことも原因としてあげられます。その他、甲状腺機能低下症が関与すると考えられています。
炭酸リチウムを投与している患者の約50%に甲状腺機能低下症がみられることから、炭酸リチウムの使用が本病の発症と関係することが指摘されています。このような症例には、甲状腺ホルモンの投与が有効です。

病相頻発型感情障害の治療法

病相頻発型感情障害の治療としては、抗うつ薬の投与が原因と考えられる場合は抗うつ薬を一旦中止する必要があります。そして、本来、炭酸リチウムに反応しにくいとはいえ、まず炭酸リチウムを基本に投与します。うつ状態であれば炭酸リチウムとカルバマゼピン(抗てんかん薬)が有効と思われます。また、躁状態の時は炭酸リチウムと抗精神病薬などが使用されます。比較的、新しい世代の抗うつ薬である四環系抗うつ薬では本障害の発現がみられていないため、四環系抗うつ薬の有効性も指摘されています。その他に、バルプロン酸ナトリウムやクロナゼパムといった抗てんかん薬が効果的です。これらの抗てんかん薬はノルアドレナリンやセロトニンなどの神経伝達を是正化し、感情や意欲面を改善すると考えられています。
これらの治療薬は単独投与あるいは炭酸リチウムとの併用により効果があるといわれています。SSRI(セロトニン選択的再取り込み阻害剤)の効果も期待されます。本病は通常の抗うつ薬が効きにくいことから漫然とした薬の投与にならないよう系統立った特殊な治療方針が必要となります。一度専門医に相談することが大切です。

難治性うつ病

うつ病の治療には抗うつ薬が有効で、予後のよい病気であるという認識があります。しかし、通常の抗うつ薬で症状が改善されにくく、うつ状態が長く続く場合や、うつ病相が頻発してコントロールできない場合を難治性うつ病といいます。前者は遷延性うつ病、治療抵抗性うつ病あるいは慢性うつ病などを意味します。後者には躁うつ病においてみられる病相頻発型感情障害が含まれます。難治性うつ病と称した場合、前者を意味することが多いようです。うつ病者の10~25%は難治であるとみられています。難治性の要因としては遺伝的要因、環境的要因、病前性格、神経受容体や神経伝達物質、薬物の代謝などが影響している可能性があります。

難治性うつ病に対する治療方法はうつ病が遷延する要因を十分に検討した上で治療法を選択していく必要があります。難治例の場合、それまでのとどこおった治療関係から脱けだすためにも、ただ漫然とした薬物治療を受けるだけの関係だけではなく、治療者に難治の原因を検討してもらい、できるかぎり系統だった治療方針をたててもらうことが大切です。早期に専門医に相談することをお勧めします。

難治性うつ病の治療法

難治性うつ病患者には通常の投与量で十分な効果が得られず治療が遷延している場合には薬物の増量が必要となります。また、投与期間も少なくとも6ヶ月程度は必要となってきます。それでも効果が認められない場合は、他の抗うつ薬に変更する必要があります。また、点滴療法は、内服薬より血中濃度が得られ、速効性が期待できます。通常は1~2回/日、1~2週間程度続けることにより効果がみられることがあります。内服薬に点滴療法を併用することによりさらに効果が増すと思われます。抗うつ薬に炭酸リチウムあるいは甲状腺剤を併用することもあります。また、抗精神病薬を併用すると抗うつ薬の血中濃度を上昇させ抗うつ効果を増強させることが知られています。抗うつ薬により効果が十分に得られない症例においては、抗うつ薬を徐々に少なくしていき中止後に抗精神病薬を1~2週間投与し、引き続いて抗うつ薬を再投与する治療法でかなりの治療効果が得られることがあります。

中枢刺激薬であるメチルフェニデートは抗うつ薬の血中濃度を上昇させ抗うつ効果を増強させ、無気力や疲労感の強いうつ病に対して効果が期待できます。しかし、精神依存性が高く、強い不安や焦燥を惹起するといった副作用があるため十分な注意が必要です。メチルフェニデートは覚醒アミンの一種であり、不眠の原因となるため午前中のみの投与が原則です。

性ホルモンのエストロゲンには抗うつ作用があることが知られており、主に更年期障害や更年期のうつ病に対して抗うつ薬との併用で効果があることがわかっています。

高照度光療法は季節性感情障害、睡眠・覚醒リズム障害や難治性うつ病に有効とされています。通常、2500ルクス程度の白色光を早朝に2時間位、1~2週間にわたり連日照射することにより副作用もなく奏功するといわれています。

うつ病には抗うつ薬が不可欠ですがそれに並行して精神療法やカウンセリングを受けることが重要です。たとえば家族の者の病気への理解不足に対する教育、家庭内の不和や葛藤などの調整や本人の日常生活についての助言などが必要になってきます。また、認知療法といってうつ病患者特有の否定的な考え、感情や行動についての悪循環を断ち切り、悲観的な考えを修正することを目的とし、治療者と患者が協力して治療を進めていく方法があります。

思春期・青年期のうつ病

うつ病というと40~60歳代に多くみられる病気ですが、10歳代でもうつ状態は比較的よくみられます。単に思春期の成長過程におけるスランプにすぎないと見過ごされることが多いようです。うつ病になると絶望感が大変強く、問題が解決しないと悩み、死ぬ以外に方法がないと考えてしまう人もあります。若い人の自殺が最近増加しており、ここ30年間で自殺の数は3倍にも増えています。

若年者のうつ病では、成人のうつ病でみられるような絶望感、悲哀感、罪責感などの特徴は少なく、仮面うつ病のように身体愁訴や身体症状が前面に出ることがしばしばあります。また、うつ気分を否認、回避し、その代理症状として、攻撃的行動、睡眠と食欲の変化、登校拒否などの行動異常が多くみられます。また、腹をたてたり、失踪したり、非行に走ることによってうつを紛らわそうとする傾向がみられます。

青年期のうつ病の特徴は、拒絶的、感情的な反社会的な行動、アルコールや違法な薬物の使用がみられることがあります。さらに家出願望、理解されていないという感情、認められていないという感情、落ち着きのなさ、不満、攻撃性がよくみられます。また、不機嫌、家族の行事への参加や協力を嫌がること、自室に閉じ込もり社会生活から引きこもることがしばしばあります。また、学業の障害もおこりやすく、外見に注意を払わなくなったり、情緒が不安定で、愛情関係において拒絶されることに過度に敏感となったりするなどの特徴があります。

うつ病であると判断する点は、行動変化が数週間以上続くかどうかが重要です。数週間以上、うつ気分があるとき、学業が低下したとき、非社交的になったとき、以前、喜んでやっていたことに興味を示さなくなったとき、このようなときにはうつ病を疑い、専門家に相談するべきです。

うつ病はしばしば登校拒否に陥ったり、進級、卒業、就職に大きな影響をきたします。また、自殺につながることも少なくありません。家族や学校側の理解や協力が必要と思われます。

治療には薬物療法と精神療法の2つを組み合わせて行われます。

薬物は抗うつ薬や抗不安薬が使用されます。将来の方針を決めなければならないような課題に直面した際に、挫折感を味わったり、悩んだりしたときには、精神療法が必要になります。両親と子供と一緒に専門医を訪ね十分に話し合いをすることが大切です。

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